創りもんのボケは、天然のボケには敵わへんわあ

死ぬかと思った……あ、大袈裟です…。僕ね、鼻水鼻づまりがひどいんですよ。常に鼻ムズムズしてるし。耳鼻科行かなあかんなあっていうのと、金ないなあっていうのの狭間で常に揺れ動いてて結局耳鼻科行ってないんですがほんまツラい!一番ツラいのはね、まあツラいというか苦しいのはね、夜中鼻呼吸できなくなって目覚めるんですよ。息苦しなって。昨夜もそうでした。頻繁にあります。鼻呼吸できひん。もう耳鼻科行こう。ほんまに死ぬわ…あ、大袈裟です。
さてさて、今日はね、創りもんのボケは、天然のボケには敵わへんわあ、というお話。僕の両親の話をします。やっぱ親は偉大やなあって思いますねぇ。二十年くらい喜劇専門でやってきてる僕なんですが、笑いで親に勝たれへん…先ずルールが違う。異種格闘技戦です。僕が一生懸命ボクシングやってるのに、え?目つぶしありなん?金的ありなん?みたいな感じです。ルール無用です。 
僕がやってるような笑いなんてやっぱ、どう足掻いても創りもんなんですよ。ま、もちろん創りもんなんですが、それをなるべく自然に、創りもんに見せないように演技・演出するのは僕たちの目指すところでありまして。まあそれでも限界はあります。100%自然は無理です。どうしてもちょっと作為は出てしまいます。ところがですよ、うちの両親は、100%自然なんですよ。作為なんてこれっぽっちもない。天然です。別に誰に見せるでもなく、誰に評価してもらうでもなく、本人たちはただただ自然に毎日を過ごしてるだけ。ボケようなんてこれっぽっちも思ってない。笑わそうとしてない。分かりやすく言うと、 
ねらってない。 
笑いはね、「ねらう」と冷めるんですよ。もちろん僕も喜劇やってて舞台上で「ねらわない」ようにはするのですが、まあそれでもやっぱ人間やからね、ちょっとは欲が出てくる…「ちょっと面白くしたろおうかいなあ」という悪魔がムクムク起き上がってくる。そこんとこはね、やっぱうちの両親は違いますよ。無欲。無欲が故にオモロイんですよ。  
親父は今老人養護施設に入居してまして。僕は月2回、隔週で親父に会いに行っているのですが、こないだ弟と、親父の弟(僕にとっては伯父さん)と3人で親父に会いに行きました。僕の弟と伯父さんはめったに来ないので親父はけっこう喜んでました。で、またその2週間後に、今度は僕とおかんで親父に会いに行ったんです。そしたらね、親父は嬉しそうに僕とおかんにこう言ったんです。「こないだな、豊(弟)と住男(伯父さん)と、もう一人誰か分からん、誰か来てたわ」 
俺や! 
そのもう一人は俺や! 
あんたの息子の俺や! 
今あんたの目の前にいる俺や! 
俺が一番会いに来てんねん! 
これ親父マジですからね。笑わそうとして言ってるんちゃいますからね。おかんも周りにいる介護士さんたちもゲラゲラ笑ってて。これがね、笑わそうとして言うてたらそんなにオモロイボケやないんですよ。親父マジやから。一切の作為もないから。敵わんのですわ。ほんまに。  
で、今度はおかんの話。親父の面会に行く時は一階の受付のところで検温しなくてはいけません。あの、おでこにピッてするやつね。僕が受付で書類に記入してて、そして記入終わっておかんを振り返ると、そのおでこにピッてやる体温計を逆向きで一生懸命何回もピッピピッピやってるんです…「え、これ何?壊れてるやん」。 
体温計逆やねん! 
これマジやからね。おかん一切笑わそうとしてないですからね。何なら毎回ここで検温してますから。この体温計初めてちゃいますからね。受付の人も笑い堪えてたわ。そんなボケされたらね、僕商売上がったりですわ。
あとカップ焼きそばあるでしょ?かやく入れて、お湯入れて、3分経ってからお湯捨てて、ソースかけてふりかけかけて完成のあのカップ焼きそば。 
おかんの作り方↓ 
かやく入れて、お湯入れて、ソース入れて、ふりかけ入れて、全部入れて、3分経ったら全部捨てます…。フタ空けたら薄ーくちょっとだけソースで茶色くなってる麺が登場。だって最初に全部入れるから。そして全部捨てるから。で、僕に「これ食え」って……これマジですからね。おかんほんまマジでやってますから。一切面白いことしようとしてないんですよ。だからほんま敵わんのですよ。天然には。

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