数日後──
通天閣のふもとにある、いつもの探偵事務所。
扉の鈴がチリンと鳴って、片山がコンビニ袋をぶら下げて戻ってきた。
「ただいま~。プリンとうぐいすパン買うてきたぞ」
「おう、おかえり。お前またプリン買ってきたんか。何個目や」
「今日で5個目や」
「食い過ぎやろ」
大竹はソファに寝転がり、テレビで流れるニュースに目を向けた。
『ノア計画の全容が暴かれ、国際的な捜査が開始されました──』
『オルフェウス・テクノロジー社の幹部が一斉に辞任──』
『情報公開の発信源は、大阪・通天閣近くの“片山・大竹探偵事務所”という未確認情報も──』
「おい、めっちゃバレとるやん」
「ちょ、名前出てるやん。 うちの事務所やん!」
「もうちょっと“匿名希望の正義の市民”みたいなんでええやろーが!」
片山はテレビを消して、カップのプリンを一気にすくって口に運んだ。
「ま、ええねん。俺らもう逃げも隠れもせえへん。大阪で一番有名な探偵事務所になったろやないかい」
「いや、まず家賃払ってからな」
「そこは言うな」
そこへ、ドアが再び開いた。
入ってきたのは──
「やあ、久しぶりだね」
スーツを着こなした男。見覚えのあるその顔。
「……お前……P-01!?」
「いや、今は“タカハシ”と名乗ってる。人間のフリをしてね」
「めっちゃ普通の名前やな!」
タカハシは微笑むと、テーブルの上に一枚の名刺を置いた。
『国際情報管理機構 関西支部連絡係 タカハシ』
「新しいミッションがあるんだ。……君たちなら、またやってくれると信じてる」
片山と大竹は顔を見合わせ、同時に言った。
「俺ら探偵やからな!」
「今度はギャラちゃんと出るんやろな?」
「もちろん。まずは、スナック陽子で一杯やろう」
三人は笑いながら、事務所の扉をくぐって出ていった。
大阪の夕暮れ。 街の喧騒の中に、おっさんたちの足音が響いていた。
こうして、
『ミッション:おっさんポッシブル ~VS 覆面ブラザーズ~』
──完。
(またどこかで、おっさんたちは現れるかもしれない。)
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喜劇団R・プロジェクト6月公演(もう公演間近!)
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
公演ではこの物語がどう展開するのか!?
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