バンッ! バンバンッ!
銃声が響き、展望デッキに緊張が走る。
「伏せろ、大竹!」
片山が叫ぶと、大竹はとっさにしゃがみ込み、床を転がってガラス柵の陰に滑り込んだ。
護衛の二人が狙いを定めて発砲するも、片山は小さな消火器を放り投げて煙幕を作る。
「今のうちに、USBを!」
P-01の声が無線から飛ぶ。
「上空に通信衛星が通過中。今、USB内のデータを転送すれば、世界中に拡散可能です」
「マジか、それ、映画みたいやん!」
「だがその前に、彼らを止めないと!」
煙の中、護衛のひとりが突っ込んでくる。
「うわっ、来た!」
大竹は自らのジャケットを脱いで敵の顔に投げつけ、その隙に片山が足払いをかける。
「おっさんコンビ、連携力だけは一流やで!」
護衛が倒れると、残るひとりも背後から何者かに一撃をくらって崩れ落ちた。
「……誰や!?」
影から現れたのは、ユウスケとケンジ。
「間に合ったか!」
「姐さんに言われてな、最後の舞台は絶対見届けろって」
「ええタイミングや!」
アマギは冷静さを保ちながらも、徐々に追い詰められていた。
「……なるほど。陽子が君たちに賭けた理由が、今少し分かった気がする」
「分かるの遅いねん!」
片山は、USBメモリをP-01に渡した。
「頼んだで」
「転送開始」
P-01が空に向かってレーザーのような通信ビームを放つ。
アマギが叫んだ。
「止めろ! そのデータが公開されれば、すべてが終わる!」
「せやな」
「でも、終わるべきもんが終わるんや。未来のために」
大竹が力強く言い放つ。
そして――
P-01が宣言した。
「データ転送、完了。全世界の主要メディアと調査機関に配信済み」
アマギは膝から崩れ落ちた。
「……これが……おっさんの、力……」
「せや。おっさんナメたらあかんで」
片山と大竹が並んで立つ。
朝日が昇り始める空中庭園。 新しい一日が始まる中、彼らはようやくひとつの戦いを終えた。
「なあ片山……これ、ギャラどうなるん?」
「スナック陽子でボトル一本タダってとこちゃう?」
「まあそれも悪くないか」
ユウスケとケンジも肩を並べ、空を見上げる。
「姐さん、やりおったな……」
「全部、仕込んでたんやな……」
最後にP-01が静かに言った。
「これにて、ミッション完了です」
エピローグへ続く――
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喜劇団R・プロジェクト6月公演
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
公演ではこの物語がどう展開するのか!?
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