ゴゴゴゴ……。
セーフハウスの扉が、外から何者かによってこじ開けられようとしていた。
「来たな……!」
片山は拳を握りしめ、ぐっと身構える。
P-01は素早く壁際の端末を操作し、部屋中に防御フィールドを展開した。
「初動戦闘準備完了。迎撃態勢に移行します」
「なあ大竹……俺ら、ほんまに戦うんか?」
「今さら引けるか。おっさんの意地、見せたろやないか」
バキィンッ!!
扉が破壊され、白煙が立ち込める中から黒ずくめの男たちがなだれ込んできた。
全員、顔には仮面。手には電磁バトンやスタンガン。
「うわっ、見た目からして悪いやつ確定やん」
「敵勢力確認、武装レベル:中程度」
P-01が冷静に告げると、右腕がガシャリと変形し、内蔵型のシールドが展開された。
「片山さん、大竹さん、私の後ろに」
「おおおっ、頼もしい」
シールドが電磁バトンの攻撃を受け止め、P-01は一人、男たちの間を縫うように動いた。
「機械ってこんなに強いんか?」
「感心してる場合ちゃう」
片山は拾ったパイプ椅子を振り回し、大竹も非常食の缶詰を投げて応戦した。
「くらえ、賞味期限ギリギリのツナ缶アターック!」
「なんで武器そんなんしかないねん!」
混戦の中、一人の仮面男が片山めがけて突進してきた。
「うおっ、やば、」
咄嗟にアタッシュケースを盾にした片山。
ガンッ!!
衝撃音とともに仮面男が吹き飛んだ。
「……これ、めっちゃ硬いやん」
「アタッシュケース、武器説!」
ようやく敵勢を制圧し、セーフハウス内に静けさが戻った。
床に倒れた仮面男たちを見下ろしながら、片山は息を切らせた。
「なあ、P-01……こいつら、どこの誰なんや?」
P-01は仮面男のポケットから小型の通信デバイスを回収し、即座に解析を始めた。
「判明しました。彼らは『ノア計画』の独立武装部隊“セラフ”所属。指揮命令系統は……内部幹部の一人、“アマギ”です」
「アマギ……? そいつが黒幕か?」
「現時点では、最有力候補です」
「なんか知らんけど…どんどん話でかなってへんか?」
「そもそも俺ら、ただの探偵やったのにな…」
片山と大竹は顔を見合わせ、大きなため息をついた。
だが、もう引き返せない。
「行くぞ大竹。300万のために始めたけど、ここまできたら最後までやったる!」
「せやな……俺ら、おっさんポッシブルやからな!」
新たな敵、“アマギ”を追うため、二人と一機の奇妙なバディは再び動き出した。
(続く)
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喜劇団R・プロジェクト6月公演
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
公演ではこの物語がどう展開するのか!?
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