『ミッション:おっさんポッシブル』第13話 侵入者、現る!

ゴゴゴゴ……。

 

セーフハウスの扉が、外から何者かによってこじ開けられようとしていた。

 

「来たな……!」

 

片山は拳を握りしめ、ぐっと身構える。

 

P-01は素早く壁際の端末を操作し、部屋中に防御フィールドを展開した。

 

「初動戦闘準備完了。迎撃態勢に移行します」

 

「なあ大竹……俺ら、ほんまに戦うんか?」

 

「今さら引けるか。おっさんの意地、見せたろやないか」

 

バキィンッ!!

 

扉が破壊され、白煙が立ち込める中から黒ずくめの男たちがなだれ込んできた。

 

全員、顔には仮面。手には電磁バトンやスタンガン。

 

「うわっ、見た目からして悪いやつ確定やん」

 

「敵勢力確認、武装レベル:中程度」

 

P-01が冷静に告げると、右腕がガシャリと変形し、内蔵型のシールドが展開された。

 

「片山さん、大竹さん、私の後ろに」

 

「おおおっ、頼もしい」

 

シールドが電磁バトンの攻撃を受け止め、P-01は一人、男たちの間を縫うように動いた。

 

「機械ってこんなに強いんか?」

 

「感心してる場合ちゃう」

 

片山は拾ったパイプ椅子を振り回し、大竹も非常食の缶詰を投げて応戦した。

 

「くらえ、賞味期限ギリギリのツナ缶アターック!」

 

「なんで武器そんなんしかないねん!」

 

混戦の中、一人の仮面男が片山めがけて突進してきた。

 

「うおっ、やば、」

 

咄嗟にアタッシュケースを盾にした片山。

 

ガンッ!!

 

衝撃音とともに仮面男が吹き飛んだ。

 

「……これ、めっちゃ硬いやん」

 

「アタッシュケース、武器説!」

 

ようやく敵勢を制圧し、セーフハウス内に静けさが戻った。

 

床に倒れた仮面男たちを見下ろしながら、片山は息を切らせた。

 

「なあ、P-01……こいつら、どこの誰なんや?」

 

P-01は仮面男のポケットから小型の通信デバイスを回収し、即座に解析を始めた。

 

「判明しました。彼らは『ノア計画』の独立武装部隊“セラフ”所属。指揮命令系統は……内部幹部の一人、“アマギ”です」

 

「アマギ……? そいつが黒幕か?」

 

「現時点では、最有力候補です」

 

「なんか知らんけど…どんどん話でかなってへんか?」

 

「そもそも俺ら、ただの探偵やったのにな…」

 

片山と大竹は顔を見合わせ、大きなため息をついた。

 

だが、もう引き返せない。

 

「行くぞ大竹。300万のために始めたけど、ここまできたら最後までやったる!」

 

「せやな……俺ら、おっさんポッシブルやからな!」

 

新たな敵、“アマギ”を追うため、二人と一機の奇妙なバディは再び動き出した。

(続く)

ーーーーーーーーーーーー 
喜劇団R・プロジェクト6月公演
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
公演ではこの物語がどう展開するのか!?
公式LINE友だち追加で最新情報をGET!

友だち追加はこちら