『ミッション:おっさんポッシブル』第11話 覚醒するケースの正体!

「ちょっと待て片山、今、ケースが……」

大竹が震える声で指差す。

 

片山の手にある黒いアタッシュケースが、うっすらと光り始めていた。

 

「なんや、これ……」

 

ケースの側面に浮かび上がったのは、見たことのない幾何学模様。そして中央に浮かぶ数字のような記号。

 

【起動シーケンス:10…9…8…】

 

「おい、カウントダウン始まっとる!!」

 

「マジか! これ爆発すんのか!? それとも召喚系か!?」

 

「召喚系ってなんや!!」

 

慌てて手放そうとするが、ケースは片山の手にピタリと張り付いて離れない。

 

「うわっ! 離れへん!! 何これ、呪いのアイテムか!?」

 

【起動シーケンス:3…2…1】

 

「うわーー!!」

 

瞬間、ケースがまばゆい光を放ち、空間がぐにゃりと歪んだ。

 

「え……?」

 

光が収まったとき、そこにいたのは――

 

「……誰や、あんた?」

 

二人の目の前に立っていたのは、スーツ姿の男。 

無表情で、瞳は銀色に光っている。

 

「こちら、情報収集支援型ヒューマノイドユニット“P-01”。依頼者“Mr.X”の指令により、貴殿らに同行・支援を行う」

 

「ロボ!? 中からロボ出てきたんか? 小さな人が操縦してるんちゃうんか!?」

 

「私の機能に冗談検知モジュールは搭載されておりません」

 

「こわっ。 全然ウケへん」

 

大竹は若干引き気味に後ずさった。

 

「ちょっと待て。お前、Mr.Xの差し金か? なんの目的で?」

 

「機密データ奪取ミッションの補佐及び、敵対勢力への防衛行動。それが私の任務です」

 

「敵対勢力って……お前、この会社のこと“敵”って言ったな」

 

「正確には、“この施設を牛耳る秘密組織”が対象です」

 

「なんや、急に陰謀論感でてきたな……」

 

「時間がありません。追手が迫っています。現在位置から南廊下を抜けた先に、セーフハウスがあります」

 

片山と大竹は顔を見合わせた。

 

「……着いてくしかないか」

 

「ロボのくせに頼りになる気がしてきたわ」

 

「私には“信頼されるべき”というプロファイルが含まれています」

 

「なんやそれ、ムカつくわ」

 

P-01が先導し、二人は再び走り出す。

 

未だ謎に包まれた“Mr.X”、その目的、そして“おっさんポッシブル”最大の敵――“秘密組織”の正体とは!?

 

物語は、新たなステージへと突入する。

(続く)
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喜劇団R・プロジェクト6月公演
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
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