非常階段を駆け下りる二人。背後からは警備員たちの怒号が響く。
「お前、どこまで行くつもりやねん!」
「地下3階や! あっこに例の金庫があるんやろ?」
「それはそやけど、このまま行ったら袋のネズミやぞ!」
「だからこそ一か八かの作戦や!」
片山は階段を飛び降りるように進み、大竹も仕方なくその後を追った。ようやく地下3階へ辿り着くと、目の前には巨大な金庫室の扉がそびえ立っていた。
「おい、暗証番号は…?」
「いや、知らん」
「はあ!? ほなどうすんねん」
「落ち着け大竹。こういうときのために、用意したもんがあんねん」
片山はポケットから小さな機械を取り出した。
「……何や、それ?」
「最新鋭の電子ロック解除ツールや」
「え…?そんなもん、どこで手に入れたんや」
「ネットや」
「アホかお前、ほんまにそんなもんが使えるんか?」
「信じろ。俺らはおっさんポッシブルや」
「全然説得力ないねん」
片山がツールを金庫の端末に取り付けると、デジタル画面が点滅し始めた。
【認証シーケンス開始……】
「よし、いける!」
「ほんまか?」
そのとき、背後から警備員たちの足音が聞こえてきた。
「あっ、いたぞ!逃がすな!」
「くそっ、間に合うかぁ?」
【認証成功……ロック解除】
「開いた!」
「よし、中に入るで」
二人は急いで金庫室に駆け込むと、そこには――
「うわあ、何やこれ?」
大量の金塊、機密文書、そして不気味な黒いアタッシュケース。
「ヤバいもん、見つけてもうたんちゃうん?」
「どないする?持っていくか?」
「アホか。 こんなん持って逃げられるか」
警備員たちの足音が近づいてくる。時間がない。
「片山、隠れるで!」
二人はとっさに大きな棚の裏へ身を潜めた。
扉が開き、警備員たちがなだれ込む。
「ん……?いない……? どこへ消えた?」
「警報を鳴らせ! 出口を封鎖するんや!」
「まずいな……」
「大竹、ここからが本番やで」
「え…?お前まさか……」
「突破するしかないやろ!」
二人は顔を見合わせ、大きく頷いた。
「いくぞ! ミッション:おっさんポッシブル!」
(続く)
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喜劇団R・プロジェクト6月公演
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
公演ではこの物語がどう展開するのか!?
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