『ミッション:おっさんポッシブル』第6話

非常階段を駆け下りる二人。背後からは警備員たちの怒号が響く。

 

「お前、どこまで行くつもりやねん!」

 

「地下3階や! あっこに例の金庫があるんやろ?」

 

「それはそやけど、このまま行ったら袋のネズミやぞ!」

 

「だからこそ一か八かの作戦や!」

 

片山は階段を飛び降りるように進み、大竹も仕方なくその後を追った。ようやく地下3階へ辿り着くと、目の前には巨大な金庫室の扉がそびえ立っていた。

 

「おい、暗証番号は…?」

 

「いや、知らん」

 

「はあ!? ほなどうすんねん」

 

「落ち着け大竹。こういうときのために、用意したもんがあんねん」

 

片山はポケットから小さな機械を取り出した。

 

「……何や、それ?」

 

「最新鋭の電子ロック解除ツールや」

 

「え…?そんなもん、どこで手に入れたんや」

 

「ネットや」

 

「アホかお前、ほんまにそんなもんが使えるんか?」

 

「信じろ。俺らはおっさんポッシブルや」

 

「全然説得力ないねん」

 

片山がツールを金庫の端末に取り付けると、デジタル画面が点滅し始めた。

 

【認証シーケンス開始……】

 

「よし、いける!」

 

「ほんまか?」

 

そのとき、背後から警備員たちの足音が聞こえてきた。

 

「あっ、いたぞ!逃がすな!」

 

「くそっ、間に合うかぁ?」

 

【認証成功……ロック解除】

 

「開いた!」

 

「よし、中に入るで」

 

二人は急いで金庫室に駆け込むと、そこには――

 

「うわあ、何やこれ?」

 

大量の金塊、機密文書、そして不気味な黒いアタッシュケース。

 

「ヤバいもん、見つけてもうたんちゃうん?」

 

「どないする?持っていくか?」

 

「アホか。 こんなん持って逃げられるか」

 

警備員たちの足音が近づいてくる。時間がない。

 

「片山、隠れるで!」

 

二人はとっさに大きな棚の裏へ身を潜めた。

 

扉が開き、警備員たちがなだれ込む。

 

「ん……?いない……? どこへ消えた?」

 

「警報を鳴らせ! 出口を封鎖するんや!」

 

「まずいな……」

 

「大竹、ここからが本番やで」

 

「え…?お前まさか……」

 

「突破するしかないやろ!」

 

二人は顔を見合わせ、大きく頷いた。

 

「いくぞ! ミッション:おっさんポッシブル!

(続く)

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喜劇団R・プロジェクト6月公演
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
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