『ミッション:おっさんポッシブル』第3話

📩 件名:極秘ミッションの依頼 

差出人:Mr.X 

突然のご連絡をお許しください。貴殿らの“卓越したスキル”に目をつけ、ある極秘ミッションを依頼したく存じます。 

ターゲット:某大手企業『オルフェウス・テクノロジー社』 

本社ビルの地下3階、特別保管室にある金庫の中に、極秘データが保管されている。 

依頼内容:金庫内のUSBメモリの回収 

(見た目は普通のUSBだが、中身はこの世を揺るがす機密情報) 

報酬:300万円(成功報酬制) 

ただし、失敗した場合は報酬ゼロ。 

警備情報: 

・セキュリティレベル:最高(指紋認証、暗証コード、監視カメラあり) 

・夜間警備員:2名 

・警報システム作動中(解除には専用のアクセスキーが必要) 

・社長室のデスクに、金庫の暗証番号のヒントが隠されている。 

なお、このメールを開封した時点で、すでに依頼を受諾したとみなされる。キャンセルは不可能。成功を祈る。 

依頼主:Mr.X 

P.S. 

このメールは30秒後に自動削除される。   
 

「え……?」  
 

片山は固まった。  
 

「大竹! これヤバいやつや!」  
 

「なんやねん、またツケの催促か?」  
 

「ちゃう! 仕事の依頼や!」  
 

「ペット探し? 浮気調査?」  
 

「ほんまもんのやつや!」  
 

「ほんまもんのやつ?」  
 

大竹がスマホを覗き込むと、画面の右上で 30秒のカウントダウン が始まっていた。  
 

「やばいやばいやばい! はよメモらな!」  
 

「もう時間ないぞ! 記憶しろ!」  
 

「無理無理無理!」  
 

「あと10秒!」  
 

「写真! 写真撮るぞ!!」  
 

「早くしろ!」  
 

大竹が急いでスマホを取り出し、メールの画面を撮影した瞬間――  
 

0:00  
 

画面が一瞬暗くなり、メールが完全に消えた。  
 

「……撮れてた?」  
 

恐る恐る写真を確認する二人。  
 

「……撮れてる」  
 

「よっしゃー!」  
 

片山は興奮気味に叫んだ。  
 

「浩司! これで一発逆転や!」  
 

「マジでやるんか?」  
 

「当たり前や。 これ成功したら300万やぞ」  
 

「いや、でも…」  
 

大竹は不安そうにスマホの画面を睨んだ。  
 

これは、本当に手を出していい仕事なのか?  
 

だが、片山はすでに立ち上がり、指を鳴らしていた。  
 

「よし大竹、作戦会議や」  
 

「おいおい、これ絶対ろくなことにならんやつやぞ」  
 

こうして、探偵事務所の二人組は “不可能”なミッション に足を踏み入れることとなった。

(続く)

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喜劇団R・プロジェクト6月公演
『ミッション:おっさんポッシブル 〜VS覆面ブラザーズ〜』
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